最近ご自分で入稿用のデータを作る方が増えました。ワードやエクセル、パワポで作る方も多い中、イラストレーターを駆使される方が増えています。しかもキチンと『トンボ』を付けてくださる方まで。
ありがたいことです。
しかし残念な事に、アドビが作った『トリムマークの罠』にかかっておられる方も多数…そこで記念すべき第1回は『トンボ(トリムマーク)』について解説したいと思います。
『トンボ』とはなんぞや?
トンボは印刷を依頼する場合には絶対に必要なものです。このトンボを基準にして配置したり断裁したりします。同じ会社内で同じ部署でいつも顔を合わせてる人ならばトンボが付いていなくても大体理解できますが、あった事もない他所の会社の人に依頼する場合、このトンボはとても重要です。混乱をさせるためにも必ず付けましょう。
『トンボ』?『トリムマーク』?
一般的に「トンボ」は「トリムマーク」など位置を示す表示の総称だそうです。しかし、印刷屋さんは大抵『トンボ』と言います。アドビが「トリムエリア」や「トリムマーク」と小洒落た言い方をしても頑に『トンボ』と言います。だって言いやすいし…
『トリムマーク』の罠
今現在、イラレデータで入稿される方の多くがCS6を使っておられるようなので、CS6で解説したいと思います。
先程から連呼している『トンボ(トリムマーク)』ですが、CS6では作り方が2種類あります。しかし、ここに罠が隠されているのです。
作業手順を確認しましょう
まずトンボを付けたいオブジェクトを選択します。(これはどちらも同じです)
次に旭成社が推奨するやり方をご紹介します。
『オブジェクト』から『トリムマークの作成』を選びます。
これで完成。トンボは1つのグループ化した線の集まりになっていますので、普通のオブジェクトと同じ様に編集する事が可能です。
出来るならこのトンボだけでレイヤーを作ってロックしておく方が無難ですね。
アドビの罠にはまる方のやり方
『効果』から『トリムマーク』でトンボを付けている方が多数いらっしゃいます。
前述のトンボと違いこのトンボはこのままでは編集できません。
しかし、基準に選んだオブジェクトの大きさが変わると自動的に変更されてしまいます。つまり、本人はA4サイズで作っているつもりなのに、何かに拍子に基準のオブジェクトを触ってしまい、そのまま印刷屋さんにデータを送ったものの、「サイズが違う」と返品される可能性があります。
これはもう罠としか言いようがないでしょう?
印刷屋さんは『トンボ』を活用したいのです
仕上がりサイズがいくつになっているか、印刷時に問題なく作業できるか、それらを確認するためにもトンボが必要です。
アートボードで見ればいいじゃん。そんな声が聞こえてきそうですが、残念でした。印刷の準備段階でアートボードはたいして役には立たないのですねぇ。何故かって?それはまた今度。
とにかく!印刷屋さんには『オブジェクト』の『トンボ』が必要なのです。
『効果』の『トンボ』でも一手間加えれば編集可能ですが、その一手間を印刷屋さんが加えること事態が危険なのです。その一手間の為にデータにトラブルが生じても、ハッキリ言って責任とれません。
どうか『オブシェクト』から『トリムマーク作成』してください!
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